グルテンフリーとは?嬉しい効果やメリット・デメリットも解説
近年、ダイエットや健康効果が期待できるとして注目を浴びている「グルテンフリー」。言葉や大まかなメリットは聞いたことがあるけれど、詳しい内容やデメリットがあることを知る人は多くないでしょう。本記事ではグルテンフリーのメリット・デメリットについて解説します。グルテンフリーに興味があり、始めてみたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
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グルテン・グルテンフリーとは?
グルテンとは、小麦や大麦に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質からなる成分です。食品に弾力や粘り気を与えて生地をまとめたり伸びをよくする働きがあります。グルテンはパンやパスタ、洋菓子など様々な小麦製品に含まれているため、私たちにとって非常に馴染み深いものであると言えます。
そしてグルテンフリーとは、グルテンを除去した食事方法です。また、グルテンを含まない食品そのものを指す場合もあります。元々はセリアック病というグルテンによって小腸の慢性炎症を引き起こす自己免疫疾患や、小麦アレルギーの治療法として開発されました。健康に嬉しい効果が期待できるとして、スポーツ選手や著名人が取り入れたことで話題になり、現在ではダイエット法や健康法のひとつとして世界中で広がりを見せています。
グルテンフリーのメリット
グルテンフリーのメリットには以下の5つが挙げられます。
- 心身の不調が軽減・改善される
- ダイエット効果が期待できる
- 肌荒れの改善に繋がる
- 便秘解消・改善が期待できる
- 疲労感の軽減に繋がる
心身の不調が軽減・改善される
グルテンフリーのメリットとしてまず挙げられるのが、心身の不調が軽減・改善される期待があることです。通常、グルテンは心身に悪影響を及ぼす成分ではありませんが、耐性がないと頭痛や腹痛、倦怠感、肌荒れなどの不調を引き起こす恐れがあります。
セリアック病やグルテン過敏症、小麦アレルギーの診断を受けていない、あるいは診断基準に達していなくても、グルテンが身体に合っていない可能性はゼロではありません。小麦製品を摂取した後に不調を感じやすい人は、グルテンに耐性があまりない可能性があります。そういった人はグルテンフリーを取り入れることで、不調の軽減・改善が期待できるでしょう。
ダイエット効果が期待できる
小麦粉が原料の代表的な食べ物には、パンやケーキなどのスイーツ、パスタ、ラーメン、ピザが挙げられます。これらの食べ物には油や砂糖、塩分なども大量に含まれているケースが多く、体重増加の原因になりがちです。小麦は食後の血糖値上昇率が高く、インスリンの過剰分泌を誘発します。すると、インスリンが脂肪を溜め込み肥満に繋がってしまうのです。
また、小麦に含まれるエクソルフィンという成分には中毒性があると言われています。加えて小麦は消化が早くすぐにお腹が空いてしまうため、知らず知らずのうちに食べ過ぎてしまうことも多いです。
グルテンを控えることで、これらの肥満や健康被害につながるリスクを減らせるため、グルテンフリー生活はダイエット効果が期待できると言えるのです。
肌荒れの改善に繋がる
腸内環境と肌の調子は密接に関係しています。腸内環境が悪化して悪玉菌が増加すると、アンモニアや硫化水素など有害物質が生成されるようになります。これらの有害物質が血液を通して肌に運ばれることで、肌荒れやニキビなどの肌トラブルを引き起こすのです。
グルテンは体内で消化されにくく、腸に異物として蓄積するため腸内環境を乱す原因になります。そのため、グルテンを控えることで腸内が荒れにくくなり、結果として肌荒れの改善が期待できます。
便秘解消・改善が期待できる
先述したように、グルテンを含む小麦製品は腸内環境が悪化する原因のひとつです。便秘や下痢など腸の不調が続く場合、腸内環境が乱れにくいグルテンフリー生活に切り替えることで、それらのトラブルが改善するケースがあります。
疲労感の軽減に繋がる
イギリスで行われた実験により、グルテンは疲労感や思考力・集中力の低下につながる恐れがあることが明らかとなりました。実験は約100人の被験者が、グルテンフリー生活と通常の食生活を3週間ずつ行い、その期間の疲労感を記録するというもの。結果、グルテンフリー期間の被験者の胃痙攣と疲労感に減少が見られたそうです。
この実験から、グルテンを控えることで疲労感が減少し、仕事や生活のパフォーマンスの向上が期待できると言えるでしょう。
グルテンフリーのデメリット
様々なメリットがあるグルテンフリーですが、いくつかのデメリットもあります。グルテンフリー生活を始める際は、以下のデメリットについてもしっかりと理解しておくことが大切です。
- 思ったほどの効果を得られない場合がある
- 栄養バランスが偏る恐れがある
- 糖質が足りなくなる可能性がある
- 食べられないことでストレスが溜まる
思ったほどの効果を得られない場合がある
グルテンフリーには肌荒れ、便秘の改善など様々な嬉しい効果が期待できます。しかし、不調の原因がグルテン以外にあった場合は、グルテンを控えても効果が表れにくいでしょう。また、ダイエット効果も体質やその他の食事内容、運動の頻度などでも左右されるため、グルテンフリーを始めたからと言って、必ずしも効果が出るとは限りません。
栄養バランスが偏る恐れがある
グルテンが多く含まれる小麦は、ビタミンB、ミネラル、食物繊維も含まれています。グルテンフリーで小麦製品を控えると、これらの栄養素もカットすることになるので栄養バランスが偏る恐れがあります。グルテンフリーを始める際は、小麦製品を控えるだけではなく、栄養バランスを整えることも意識しましょう。
糖質が足りなくなる可能性がある
小麦に含まれる糖質は、脳の唯一のエネルギー源であり重要な栄養素です。糖質が足りず低血糖症になると、以下の症状が現れる恐れがあります。
- 慢性的な疲労
- 思考力・集中力の低下
- 怒り・苛立ちを抑えられない
- 日中の眠気
- 睡眠の質の低下
- 頭痛
- 筋肉痛
- アレルギー
糖質は過剰摂取すると肥満につながる恐れがありますが、足りないことでも健康に悪影響を及ぼします。グルテンフリーを始めるのであれば、米や蕎麦、芋類、豆類などから必要な糖質をしっかり摂取するように心がけましょう。
食べられないことでストレスが溜まる
実は、小麦粉は私たちが普段食べているものの多くに含まれています。パンやケーキ、ラーメンなどはもちろん、醤油などの調味料やカレールーと言った見ただけでは分からない食べ物にも小麦が使われている場合があります。そのため、完全なグルテンフリー生活をするとなると食べられるものが非常に限られてしまい、ストレスが溜まりがちに。
ストレスは肩こりや頭痛、睡眠障害などの健康被害を引き起こす恐れがあるので、グルテンフリーを始める際は、無理やストレスを感じない程度に取り入れていきましょう。
グルテンフリーはメリット・デメリットを把握してから始めよう
グルテンフリーにはダイエット効果や肌荒れ、便秘、思考力の低下など心身の不調の改善が期待できるメリットがあります。しかし、効果には個人差があるため必ずしも思った通りの効果を得られるわけではありません。
また、栄養バランスの偏りによって低血糖症などが引き起こされる恐れもあります。グルテンフリーを取り入れる際は、メリットだけでなくデメリットについてもしっかりと理解して、ストレスが溜まらない範囲から始めることが大切です。